[計算例 6] 一定勾配水路への塩水楔の侵入

感潮河川では、潮の干満により河口水位が上下に振動し、これが河川流に影響を及ばす。 ここでは、単純な水路を想定し、下流端の水位変動による塩水楔の挙動を計算する。

計算格子の生成

計算格子の作成はNays2dv専用の格子生成ツールを用いる。 Fig. 95 で[Nays2dv用格子生成ツール]を選択し。[OK]をクリックする。

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Fig. 95 : 格子生成アルゴリズムの選択

「格子生成」ウィンドウが現れるので、 Fig. 96 の「グループ」「河床形状」 で赤囲いの部分を設定する。これにより一定勾配の水路が設定される。

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Fig. 96 : 格子生成: 河床形状

次に、「グループ」「水面形」を選び。 Fig. 97 で赤囲いの部分を設定する。 これで、初期水面形は水平な条件となる。設定が終わったら[格子生成]をクリックする。

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Fig. 97 : 格子生成: 水面形

「マッピングを実行しますか?」と聞かれるので[はい(Y)]をクリックする ( Fig. 98 ) .

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Fig. 98 : 格子生成: マッピング

濃度境界条件の設定

下流端において塩水の境界条件を設定する。 Fig. 99 に示すように、オブジェクトブラウザーで「境界条件設定」にチェックマーク☑を入れて右クリックし、 「濃度境界の追加」を選ぶ。その後。下流端の境界エッジに沿って範囲を指定し、終了時 に「Enter」を打ち込むことにより現れる「境界条件」 ウィンドウ( Fig. 100 )で必要な情報を入力し[OK]ボタンを押す。

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Fig. 99 : 格子生成: 濃度境界の追加

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Fig. 100 : 格子生成: 濃度境界条件の設定

指定した境界条件を格子情報へマッピングを行う。 メニューバーから「格子」「マッピング」「実行」を Fig. 101 に示すように 選択し実行する。

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Fig. 101 : 格子生成: 濃度境界条件のマッピング(1)

Fig. 102 のウィンドウが表示されるので「New C_Bound」に☑マーク を入れて[OK]を押すと。

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Fig. 102 : 格子生成: 濃度境界条件のマッピング(2)

計算条件の設定

メニューバーから[計算条件]→[設定]を選ぶと「計算条件」入力用のウィンドウが表示される Fig. 103 「差分計算方式」は「流速の移流項」も「密度の移流項」も[風上差分]を選ぶ。

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Fig. 103 : 計算条件:計算条件

「計算条件」「グループ」「境界条件」を選ぶと Fig. 104 が表示されるので、 「上下流の境界条件」は[上下流自由境界]、 「上流からの流量供給」は[与えない]を選ぶ。

「下流端の水位は」[サインカーブ振動]とし、 Fig. 104 に示すパラメータで 与える。

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Fig. 104 : 計算条件:境界条件

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Fig. 105 : 計算条件:時間およに繰り返し計算パラメーター

「計算条件」の「時間と繰り返し計算に関するパラメーター」は Fig. 105 の赤囲いのように設定すし。設定が終わったら[保存して終了」をクリックする。

計算の実行

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Fig. 106 :計算実行中の画面

[計算]→[実行]を指定すると、Fig. 106 のような画面が現れ計算が始まる。

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Fig. 107 :計算の終了

計算が終了すると, Fig. 107 のような表示がされるので、[OK]をクリックして 計算終了する。

計算結果の表示

ベクトルやスカラー量のコンター表示、水位等のグラフ表示は前章までの説明と同じなので ここでは結果のみ表示する。Fig. 108 は(塩分)濃度コンターと流速ベクトルのア二メーション。

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Fig. 108 :流速ベクトルと濃度コンター表示

Fig. 109 はベクトル・コンターと下流端水位変動を一緒に表示した動画 である。

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Fig. 109 :流速ベクトルと濃度コンター表示